歩君の場合
 公開 2018年12月11日
 点頭てんかんによる知的障害 発達遅滞
 1歳5か月時からのLS-CC松葉杖訓練での取り組み

☆ 生育歴
 在胎39週0日で正常分娩。出生体重3016g
 生後2か月で発熱し、祝日が重なり検査や治療ができず、その後てんかん性無呼吸発作が起きた。
 無呼吸発作が群発し、3週間入院。入院中に点頭てんかん発症するが、ACTH治療にててんかんは治まる。症候性部分てんかんの診断が下る。
 現在の病名:主病・発達遅延:関連病名・てんかん、点頭てんかんの既往:低筋弛緩性四肢麻痺
 入院中に訓練開始。1歳より訓練が始まり、週2回から3回。
 医師からは、「あとはリハビリ次第だ」と言われたけど何をどうしたらいいのか分からず、本当に悩んだ。医師からもその発言以外は、どうしたらいいのかとかここに行ったらなどの言葉が無かった。
 ネット検索の中からこの訓練法が良いのではないかと感じ、連絡を取った。
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∞ 1歳5か月に、訓練会に参加されました。
 現症:通常は背臥位や腹臥位で過ごしている。寝返りを行い、肘這いを少し行う。上肢で体幹を支える事を嫌がる。
 関節可動域:特に問題ない。全身が柔らかな感じ。
 訓練内容:各種座位保持・上肢で体重を支えることを指導する。
→ 2か月後
 持ち込んでのあぐら座位で、上肢で支えて座るようになる。
→ 5か月後
 持ち込みあぐら座位で手を床に支えて1分ほど、正座で30秒程姿勢を維持している。
→→ 2週間後
 時々だが、自分で座るようになる。座ると割座となる。
→ 6か月後
 自分で座ることが増え、座位バランスも良くなっている。
 四つ這い位をとるようになる。
→ 8か月後
 肘這い(腹這い)で、上下肢を良く動かし交互性が出てきている。
→ 9か月後
 LS・SLB・松葉杖を作成する。松葉進度1、LS1度。
→→ 3週間後
 四つ這いを行うようになる。
→ 1年後
 松葉杖歩行練習を覚えられないようなので、2週間ほど前から歩行器歩行練習に入っていた。
→→ 3週間後
 つかまり立ち、つたい歩きを始める。
→ 1年9か月後
 歩行器歩行を行うようになる。
→ 2年後
 独歩練習に入る。
→ 2年4か月後
 立位に持ち込むと、数歩の独歩を行う。
→ 2年7か月後
 床から立ち上がり、数㍍の独歩を行うようになる。
 階段昇降を訓練に加える。
→ 2年10か月後
 床から立ち上がり、数十㍍の独歩を行う。
 階段昇降は嫌いなようで、行うことを拒む。
→ 3年4か月後
 めーるを使って訓練会の退会を伝えて来られた。
 【先生に我が子を見ていただいて成長させていただきとても言葉が出ないほど感謝をさせていただきましたが、諸事情の都合で退会させていただきたく思います。】
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◎ この子どもの経過を振り返って・・・
 床から立ち上がり歩くようになり、一部の目標は達成したように見えるが、歩くようになっての転倒事故には危険が伴い、その練習を行うことなく退会されたことは残念に思います。
 保護者から見て、転倒することを練習することに疑問を感じられたのでしょうか?
 地域の小中学校で歩行していての転倒で、正しく手を出して転倒時の身体保護ができない子どもが増えているようなのです。転倒事故で歯を折ったり、外科で縫うほどのけがをするなど、事故の際に手を出して顔や頭を守る保護伸展反応ができていないのです。
 歩君がけがの無い人生を送られることを願うばかりです。

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 製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美