潔君の場合
公開 2018年10月08日
ダウン症による運動発達遅滞
1歳11か月時からのLS-CC松葉杖訓練での取り組み
☆ 生育歴
妊娠37週3日で分娩第2期遷延、吸引分娩。3020g
生後2週間で疑い、生後1ヶ月でダウン症の診断となる。
訓練は7ヶ月で開始。
首がすわったのは、1歳頃。
寝返りを始めたのは、1歳1ヶ月頃。
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∞ 1歳11か月に訓練会に参加されました。
現症:背臥位が好きなのか腹臥位で過ごすことが無い。寝返りは行うがあまり動かない。
持ち込み座位で、介助する者に寄りかかろうとする。
立位・歩行不能。
特に上下肢を進展パターンとする。
ロート胸。
長短脛骨筋腱が、溝から外れて走る。
関節可動域:全身が柔らかく、可動域制限はない。
訓練内容:持ち込んでの各主座位・足部のストレッチ。
→ 1か月後
持ち込み座位で、あぐら坐位・正座で床を手で支えて数分の姿勢維持ができる。
→ 2か月後
家庭内で、寝返りで動き回っているとのこと。
スタビライザを貸し出す。足裏を床に着けることを嫌がる様子。
→→ その2週間後
床から一人で座位となる。座ると赤ちゃん座りとなる。
四つ這い位の練習に入る。
SLBと松葉杖を貸し出す。
→ 6か月後
CCでの手歩きを行うように指導する。
足裏に様々な物での刺激を与えるように指導する。
→→ その2週間後
足裏の刺激は、多少なりとも効果があったように見受けられる。
→ 7か月後
赤ちゃん座りから尻這いを始めた。
→ 8か月後
ある整形外科医師の診察で↓…
本日も座位、腕力だけでのずり這いで活発に動いておりました。
ずり這い時に、脊椎、骨盤が伸展し両下肢が突っ張って伸びたままになっております。
四つ這いの姿勢(股・膝屈曲)にし、足部を固定すると、大腿四頭筋の筋力で脊椎が屈曲、骨盤前傾し、いい姿勢になり前に進みそうになります。
指摘の通り、立位では骨盤周囲、大腿の筋力がなく(力を入れようとしない?)、すぐ膝崩れを生じます。
股、膝、足関節には特に異常らしい所は見られませんでした。筋力が弱く、フロッピーインファントに近いという感想です。神経学的な異常もなく、現在、寝返り、ずり這いだけで十分楽しく人生を送っており、まだ立つ必要性を本人が感じていないように見受けられました。
四つ這いの姿勢は嫌がらず面白がっていたようですので、その姿勢で下肢の筋力向上を待ち、四つ這い→歩行まで行く方向がよいのではと思いました。
足部は軽い外反偏平足が見られますので、将来立位可能時にはインソールまたは状態によって靴型装具が必要かも知れません。
→ 1年1か月後
訓練開始1年1か月から2か月にかけて、体調を壊して約1か月の病床に着き運動不足となる。
→ 2年3か月後
少しであるが、四つ這いを始めた。
→ 3年2か月後
両手介助で、少し歩くようになる。SLB着用。
→ 3年10か月後
SLB着用で歩行器歩行ができるようになる。
→ 4年1か月後
喜んで、SLB着用して歩行器歩行を行う。
壁でのつたい歩きを始める。
→ 4年10ヶ月後
立位に持ち込むと、十数歩の独歩を行う。
→ 5年後
家庭内で物につかまり立ち上がり、3から4㍍程を独歩するようになったとの事。
→ 5年2カ月後
物につかまり立ち上がり、屋内は独歩を良く行うようになる!
階段昇降の練習。昇りは1段ずつ片手を介助して可能。他の手は手すりにつかまっている。
※ 以後、コロナの影響もあったが、連絡が無くなる。
→ 学童期を迎えて
保護者からの連絡は途絶えたが、噂話として聞こえてくるのが支援学校に入学して、独歩をしていると言うが……
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◎ 指導する者からの期待と希望
訓練を開始して4年が経過した今、歩行を目標に親子と共に努力しています。
入学までに歩行可能とさせたかったが、実現するのか?
・ この4月に支援学校に入学、少しの独歩を始めたが、実用的ではない。子ども自身の遊びの範ちゅうなのか?
それでも独歩を始めたことは嬉しい!
・ 独歩をしていると言うが、下肢装具を使っているのだろうか?
外反扁平足が著しかったので、今後痛みが出なければ良いが……
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製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美