大翔君の場合

  公開 2019年10月11日
 5歳2か月からのLS-CC松葉杖訓練
 訓練を開始しました。今後の変化を見守って欲しいです。
 他のお子様についても随時加筆しています。確認してみて欲しいです。
☆ 生育歴
 40週6日で順調な分娩。体重2986g。
 生後2日、一過性に顔色不良となり、呼吸数低下と酸素飽和度も低下しました。
 生後4日、再度の顔色不良と無呼吸発作が起こる。全身蒼白や酸素飽和度低下もあり、また心雑音もあった。刺激にて状態は回復はするが、他の病院に搬送となり、NICUへ。診断名は新生児無呼吸発作。
 心エコーにて、軽度肺動脈狭窄あり。頭部CTにて硬膜下血腫を示している(経腟分娩新生児にしばしば診られる)と…。
 肺動脈狭窄については、現在も経過観察中(治療歴は無し)。
 首がすわったのは4ヶ月頃。
 寝返りを始めたのは8ヶ月頃。8ヶ月頃に、小陰茎に男性ホルモン筋注を3回施行。この頃に理学療法訓練を開始しました。
 両側停留精巣で1歳1ヶ月で手術。
 その後2歳過ぎの診察で、MRIやそれまでの検査上では何の問題も見つけられないので、でも身体障害や知的障害がある為に、他の理由付けがないから大きなくくりとして、診断名が脳性麻痺となりました。
 3歳頃からSRC歩行器に乗り、立位と歩行の練習を開始。
 座らせると少し座れるようになったのが4歳8ヶ月頃。
 5歳頃から腋をU字型歩行器に預け、腰を支えて歩行練習を数回試みましたが、何故か以後は行っていません。
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∞ LS-CC松葉杖訓練を開始→5歳2か月
 寝返りを行い、自分の行きたい所に行き、仰向けで物を見たりして遊んでいる。
 持ち込み座位可能だが、あぐら位・長坐位が好きのようで、正座や割座は嫌いのようである。
 股関節の内旋に抵抗があるが、他の関節については問題無いか?
 身体を触られるのが嫌なのか、動かされることが嫌なのか、訓練にならない。行おうとすると泣いてしまう。
 運動療法の内容として:全身のストレッチ・LSでの立位・CCでの手歩き・各種坐位に慣れる。触られたり動かされることに慣れる。
 LSに入る。LS2度。
 座るのにいろんな方法で助けているようなので、自分自身で座るように指導する。
→ 訓練開始2ヶ月
 泣くことが減り、周囲の状況を確認しているように感じられる。
 好きな音楽をアイホンで聞きながらスタビライザに立っている。
 CCでの手歩きを練習に加える。手でもって体重を支えることができないのか? 支えることが嫌なのか? CC1度。
 座ることがうまくなってきている。だが、割座は嫌いであぐら座位が好きなもよう。
→ 訓練開始3ヶ月
 泣くことがほとんど無くなり、指示に従えなくとも拒否は無くなっている。
 持ち込んでの割座や四つ這い位が少しできるようになる。手での支持性が少し出てきたのか!  支持することが嫌でなくなったのか? でもCCでの手歩きは未だ嫌いの様子。
 松葉杖訓練に入る。拒否することもなく、足の運びも少しずつ指示に従い行えるようになっている。松葉進度1。
 椅子坐位がうまくなってきているとのこと。
→→ その2週間後
 この年齢で身体も大きくなっているのに、上肢で身体を支えることが学べてなく、CCでの手歩きが嫌い。上肢への負荷を減らすために、身体に合わせたCCを造り試みた。負荷が減ったのが好ましいのか手歩きを少し行う。
→ 訓練開始7カ月
 クローラーでの手歩きの距離が伸びた!
 臥位から座位になる練習を行う。
→→ その3週間後
 好きな玩具を追って、CCでの手歩きを行うようになる! (CC3度)
→ 訓練開始8か月
 周囲にいる子どもの動きを追って、CCでの手歩きを良く行う! (CC3度)
 自力での座位になることができない。
→→ その2週間後
 松葉進度2となったのか?
 ゆっくりであるが、確かと感じられるように姿勢や動き等が変わってきている!
→ 訓練開始1年5カ月
 少しだが四つ這い位の練習ができるようになる。
→ 訓練開始1年6カ月
 コロナの影響で訓練はできていない。
 お母さんからメールで連絡が入る。
 〝今、大翔が何回も繰り返して自力座位をしています! 夫と感動しております!〟
 翌日・そしてその翌日、自力座位を行っていると連絡が入りました。
 自力座位の練習は終了。これからは四つ這い位と四つ這い移動が主たる目標となる。最終目標は、片手を繋いでの独歩か?
→ 訓練開始1年7カ月
 自宅では、腹臥位から座位となる事を繰り返し行っているとの事だが、訓練時にはあまり見る事はできない。
 座位になる事が増えているとしても、CCでの手歩きも増えていても、四つ這いは嫌いなようで、あまり四つ這い位になってもらえない。
→ 訓練開始1年10カ月
 松葉杖訓練を行って来たが、どうしても馴染めないようなので松葉杖訓練は止めて歩行器練習に変える。
 歩行器を持つ事も無いし、立って歩こうともしない。
→→ その2週間後
 歩行器の握り部を持つようになった!
→ 訓練開始1年11カ月
 歩行器練習で、時々、少しだが自分で行うようになる!
 気分によってできる事が大きく異なっている。
 水野記念病院の他に、訓練会での指導を開始。
→ 訓練開始2年1カ月
 歩行器歩行で、お母さんが介助しながらだが250m程できるようになる!
→ 訓練開始2年2カ月
 歩行器歩行練習から、松葉杖歩行練習に変更。以前に松葉杖歩行練習から歩行器歩行練習に替えたのだが、あまりにも歩行器に頼るので…
 松葉杖練習で、杖を少しの間持っているようになったし! 松葉杖を使って少しの間一人で立っているようになった!
→ 訓練開始2年5カ月
 松葉杖訓練で、松葉杖を自分で持っているようになる! そして気分によるが、杖も足も自分で動かす事も有る!
 四つ這い位に自分でなる事も有り、臀部(尻)に触っていると、四つ這い移動を少し行うようになる!
→ 訓練開始3年7か月
 ずいぶんと運動機能に変化が無い事が続き、「 モデル 大介君 」の変化を知り、大介君のお母さんと同様に四つ這い移動の練習を試みて、四つ這い位になり、四つ這い移動を自ら始める様になった!
→ 訓練開始3年11か月
 自力で座位になるが、四つ這い移動をしなくなる。
 家庭の事情により訓練会を退会。水野記念病院での訓練は継続…
→ 訓練開始4年
 メールが届く!
 大翔が最近、四つ這いのかたちにしてあげると、前よりスムーズに手足が出ることが多くなりました。
 日々の訓練は続けています。
 そしてさっき初めて、自分で四つ這い位になり、そのまま四つ這いで動き出すのが見られました!!
 嬉しかったので、ご報告させていだだきました。
 しかしこの様に四つ這いを始めて、やらなくなってしまった事が過去にあったのでは…。でも三度目の正直でこれからはずっと行えるのかも…
→訓練開始4年1か月
 メールが届く!
 四つ這いは完全に出来るようになりました。自ら1日何回もやります。
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◎ 指導する者からの期待と希望
 大翔君は何処まで運動機能が伸びるのだろうか?!!
 身体に触られたり、動かされることに慣れ、訓練することに慣れて拒否しなければ、間もなく自分で床に座るようになり、その前後に四つ這いを始めるのでは…
 今後の3ヶ月ほどの間に、四つ這い移動まで進めれば、介助歩行や独歩の夢も叶うのでは…!
※※ 介助歩行とは、一人で歩くことが可能だが、自由に歩かせることによって何処に行くかわからず、何をしてしまうかわからないので、手を繋いで歩くことを指します。
・ 訓練が開始されて8カ月が経過しようとしています。
 自分で動く、目的動作がはっきりと見る事ができるようになりました!
 更に今後の発達を期待しています。
・ コロナの影響で訓練ができたりできなかったりの状態でも、家庭でしっかり訓練ができれば、5歳過ぎからの指導開始でも、子どもは変わる事が実感できます。ただしこの大翔君のように、能力が伸ばされていない子どもに限り、できればもっと幼い時から指導を開始したかったです。
・ いずれ四つ這いを始めると思うのだが、何時になるのだろうか?
・ ほんの少しずつだが良い方向に変わってきているが…
・ 待ちに待った四つ這い移動を始めた。今後は歩行が目標と定まった。
・ 水野記念病院で運動療法を継続し、親子で手を繋ぎ歩くようになったと連絡がもらえれば・・
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  製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美