モデル 菊枝ちゃん
加筆訂正 2024年06月27日 2024年05月02日 2023年06月14日 2023年05月09日
公開 2023年03月11日
7歳9か月からのLS-CC松葉杖訓練
公開を2022年09月16日に予定したのですが、出来上がった下肢装具が不適当であったり、入院などが有ったために遅れました。
他のお子様についても随時加筆しています。確認してみて欲しいです。
☆ 生育歴
妊娠32週1日に、1270gで予定帝王切開で生まれてきました。
病名は妊娠25週の妊婦健診で水頭症が発見され、それ以上の詳しい検査を大学病院で行い脊髄髄膜瘤による二分脊椎症と言われ、更に検査によってキアリⅡ型奇形と言われました。
生まれた時から右下肢の変形が著しく、何れ手術と伝えられました。
訓練は生後3か月から始まり、次の様な物を順次行いました。
足・体幹のストレッチ。首の体操、腹這い、側臥位の練習、体幹トレーニング、お座りの練習、短下肢装具による立位の練習(脇、体幹を支えて)、骨盤帯付長下肢装具装着による立位・歩行練習、腕のプッシュアップ等…
首のすわり:6か月
寝返り開始:10か月
自力座位開始:2歳頃
尻這い:3歳頃
下肢の変形手術は3歳3ヶ月で受けました。入院期間は1週間で、ギプスは術後1ヶ月間装着しました。ギブス装着のまま家庭で過ごしていました。
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∞ LS-CC松葉杖訓練を開始→7歳9か月
二分脊椎症の子どもをこの年齢から開始する事は、私にとってはとても珍しい事で、菊枝ちゃんが伸びる能力が伸ばされていないので何処まで伸ばす事ができるのか、親子の期待と共に私の興味から始めました。
菊枝ちゃんがお母さんと話を交わしているが、他人とは話をしない。他人の話を聞いて顔の振り方で意思を伝えている。コロナの感染予防と話を交わさないノは何らかの関係が有るのだろうか?
臥位から座位まで可能。片手で側臥位から身体を押し上げてえんこ座りとなる。その姿勢でもって尻這いを行う。
股関節の動きはまず良いが、膝は右:伸展不能。左:屈曲不能。上肢の動きは悪くないが、使い方を理解していない。
えんこでもって尻這いを行うのは、下肢の可動域が影響していると思える。
両足関節の動きは両側共にほとんど動かない。0度固定。
立位不能。骨盤ベルト付き長下肢装具を持っている装具を着けて物に寄りかかって立っていられる。
松葉杖を持たせて、持っていた下肢装具を着用して立たせても、松葉杖に寄りかかって立っているだけで、身体も足も杖も何も動かない。
保護者の書かれた今までの訓練内容では、何故にこの程度で止まっているのか理解できません。
脊髄髄膜瘤と下肢の変形に伴い、手術を受け、文字で表せば適切な指導を受けて来ているのに、何故に実力は…
下肢の変形に対して整形外科手術を受けていますが、ぎぶす固定が1か月程度で良かったのだろうか?
指導内容:全身のストレッチ、特に下肢を重点として…
プッシュアップ台を利用しての上肢と上肢帯の筋力強化。
→ 訓練開始3か月
股関節を曲げ伸ばししない・膝関節を曲げ伸ばししない、こんな姿勢での四つ這い移動を始めました。
→ 訓練開始5か月
新たに骨盤帯・胸部帯付き長下肢装具ができあがる。
できあがった装具を着用して、何も掴まらないでの立位、松葉杖を使っての立位練習に入る。
→→ その2週間後
新たな装具を着用して、松葉杖歩行練習に入る。
練習後に、足部が新たな装具に当たっていたのか出血と発赤ができていた。新たな装具の再調整に入る。
→ 訓練開始7カ月半
尿路感染症のために入院。
→ 訓練開始9カ月
新たな装具が修正が終えて戻ってくる。
→→ その2週間後
下肢装具を着けて一人で立っていられるようになった。
下肢装具着用で、松葉杖歩行訓練に入る。
→ 訓練開始1年1か月
訓練前にお母さんより、「左足の生爪をはがしたので、テープで止めている」と報告を受ける。
訓練を開始してすぐに、左膝に熱感を感じる。ズボンを膝上まで上げて診れば脹れている様子。
訓練を止めて診察を求める。
→→ その1週間後
診察の結果は特に負傷ではなく、少し打撲したのかもとの見解。見守り程度の注意を促されたとの事。
しかし熱感と脹れは有るので、左足には触れずに、他のストレッチを行うだけとした。
打撲でこの間に症状の変化が無いのに疑いを感じ、2・3日の間に症状が変わらなければ他の医師の診察を受けるように促す。
→→ その1週間後
何時もの整形外科医師でない整形外科医師の診察を受け、膝に骨折が見えるとの見解。
装具を使っても立位や歩行訓練は止めるとの指示。
→ 訓練開始1年2か月
骨折は治癒したとの医師の診察で、7週間ぶりに通常の訓練に入った。
→ 訓練開始1年3か月
一人でスイング歩行ができるようになったのか?
松葉杖の出し具合が適切の時に偶然なのか?
スイング歩行ができそうだが、偶然ではなく間違えずに杖と足を運べるように注意したいのだが…
→ 訓練開始1年9か月
スイング歩行のイメージを獲得できたのか、何となくそのような動きができるようになる。
→ 訓練開始2年
寛骨と仙骨との間が、食い違っていて、寛骨と脊柱の動きが同一ではないとわかる。
要は:骨盤の上に脊柱が載っていなく、脊柱と骨盤とはつながっていないので、座骨で座る事はできない。
体幹を前に傾けて座るか、物に寄りかかって座るより法は無い。
スイング歩行する事によって、この寛骨と脊柱の歪みを大きくする恐れは無いのか?
→ 訓練開始2年2か月
仙骨が無い事がわかる。脊髄脊椎外科の診察結果で…
脊柱の仙骨によって、寛骨に挟まれて脊柱を固定するのに、その仙骨が無い為に脊柱の固定ができず、座位も不安定になる。
座位が不安定の為に、常に前傾姿勢となっており、腹腔内の内臓が腹腔の上部に押し上げられ、更に腹腔内の臓器は胸郭内を圧迫する事になり、体幹を少し後位で座るのが好ましいとの見解を示される。
今までの訓練内容では、適切でないと判断し、後方位での座位での生活を訓練するようにしたいが、家族がこの変化をよく考えるとして訓練は休会とする。
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◎ 指導する者からの期待と希望
保護者が教えてくださった今までの訓練内容で、何故にこの程度の運動機能しか学べていないのだろうか。
上肢の筋力は松葉杖歩行には不足しているし、プッシュアップの握り具合は不適切だし、そもそもいろんな姿勢で身体の垂直位が教えられていない。似ているが異なる姿勢や動きをしている。
伸びていない運動能力、何処まで伸ばす事ができるのか? 時間の経過を見なければわからない子どもです。
すでに松葉杖歩行かクラッチ歩行をしていても不思議でない子どもなのに…
・ 脊椎損傷や二分脊椎症では、感覚障害が有るので痛みや火傷に特に注意が必要と再確認させられました。
・ 生まれつきのいろんな身体の箇所に、いろんな疾患を抱えており、いろんな診療科に受診しなければならず、その調整がうまくいっていなかったためなのか、この年齢になってから寛骨と脊柱の別れを指摘されても…
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製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美